一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
少し控えめにノックをして、真っ暗な母の部屋へと入る。
「お母さん、お粥食べれる?それとも果物の方がいい?」
「、、紗江?きてたの?」
「ん、来てたよ。体調は大丈夫?もう若く無いんだから仕事はセーブしなきゃダメよ。可愛い孫だって産まれたんだし。、、どうせ病院も行ってないんでしょ?一応、市販薬も買って来ておいたから水と一緒にここに置いておくね。」
「、、ここ最近は調子が良かったからついね?そうね、、亜美ちゃんだっているし、、今後はちゃんと気をつけるわ。いつも悪いわね、、。」
相当体調が悪いのか、こんなに弱々しい母を見るのは久しぶりだ。
「いいよ。特に予定もないから。あと数日は仕事終わりに様子見に来るからね。じゃあ食べられそうだったらお粥食べて薬飲んでね。」
布団の中で頷く姿を確認してから母の寝室を出て、リビングへと戻るとキッチンに作り置きしてあったおかずも全て無くなっていた。
さすが食べざかりな弟達だ。
食器を洗い終わると、明日の朝ごはんを作り置きしてラップを掛けて冷蔵庫へと仕舞う。
それから洗濯をし終わってから帰る準備を始めた。