一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
そう言われて改めて考えれば、あんなに年下は無理だと思っていたのに久しぶりに会った彼にはそんな感情抱いた事が無かった。
これが〝好き〟という事なんだろうな。
珍しくヘソを曲げてしまった彼の機嫌を直すべく、顔を背けてしまった彼の頬に背伸びをしてキスをする。
そして本音を呟きながら夜道を歩く。
「、、ううん。暁人くんの事、子供っぽいとか年下だからとか思った事ないよ?幸せだって思ってくれる暁人くんを見て私はもっと幸せだなって思っただけ。こんな風に家族以外で幸せを共有した事無かったから、、知らなかったなぁ〜。幸せを好きな人と共有するとこんな気持ちになるんだね。」
そう言って隣を見ると不貞腐れていた表情から変わって、目を細めて困ったように笑う彼。
『それはこちらの台詞ですよ。俺は血の繋がった人間とさえ、感情を共有した事はありません。だから今のこの幸せな感情も今までの感情も全て紗江さんがくれたモノです。』
「じゃあこれこらは2人で沢山共有しよ?」
『はい。まずはデートに行きませんか?』
「うん!デート行きたい。ドライブとかショッピングとかも行きたいなっ!あとそれから映画とか水族館とかあとは〜っ、、、。」
『後は?』
「い、いちご狩りとか、、夢の国のテーマパークとか、、?ずっと行ってみたくて。」
『いいですね。全部行きましょう。紗江さんとならきっと何処でも楽しいです。』