一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》



本当に行きたい所を言っても、握られてた手に力が込められてただけで引かれる事もなく嫌な顔1つ見せない彼。

彼にとっては些細な事なのかもしれないが、ずっと自分を偽る恋愛しかしてこなかった私には、それが本当に嬉しい。
















「暁人くんは?行きたい所とかしたい事とかは?私ばっかり行きたい所とかしたい事いっちゃってるよ?」

『紗江さんがしたい事や行きたい所が俺のしたい事や行きたい所です。俺は何でも紗江さんが〝初体験〟なので、、デートとはどんな事をするものか知らないんです。ただ紗江さんが楽しそうに笑ってくれたら俺も楽しいです。だからこれからは紗江さんが教えて下さい。』

「うん、分かった。じゃあ暁人くんも一緒に過ごしていく中で何か思いついたらいつでも言ってね?」

『はい。では、早速ではありますが今度の休みにデートに行きませんか?行き先は紗江さんが行きたい所へ行きましょう。』

「うんっ!じゃあ休みの前日までに考えおくね?」





















そんな会話をしながら、2人夜道を歩く。


緊張していた実家への報告も済んで心穏やか帰宅したのだった。


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