一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
男性の事はよく分からないけど、そういう男性は凄く性欲が強いと聞いた事がある。
それなのに、恋人になって随分経つのに一度しか素肌を合わていない、、、。
もしかして私の身体に幻滅したとか、、?
それともあまりにも魅力が無さすぎて、そういう気分にも雰囲気にもならないとか、、?
初体験が全然良くなくて、次またしたいとは思えなかったとか、、?
チラリと隣を歩く真由ちゃんに視線を向ける。
確かに、小柄で女性らしい愛されてボディーの真由ちゃんと比べれば、私は背だけがやたら高くて胸もある方じゃない。
全然魅力的なボディーじゃない。
じゃあ、それが原因、、、、?!
いくら優しい彼でもこのまま〝そういう気分〟になれない相手じゃ、将来の事なんて考えられる筈がない。
性欲は人間の三大欲求の1つだ。
何かしら行動を起こさなければ、きっとこの先の2人に未来はない。
でも女子力の低い私ではどうしたらいいのかさえ分からない。
悩みに悩んで頭を痛めていると急に上着の裾を引かれ、体がビクりと飛び上がる。
「もう!紗江ってばっ!!、、どうしたの?黙りこんだまま百面相してたけど?しかも席に着いたのにずっと立ったままだし。」
その言葉にハッとなって、辺りを見回すと気づけば庶務課にたどり着いている。
裾を引っ張った真由ちゃんは、もう既に席についていて心配そうな表情を浮かべていた。