一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
『では予定通り眼科へ向かいますね。』
「うん、お願いします。」
一言言葉を交わすとゆっくりと車が発進する。
運転に集中している彼の横顔を覗き見る。
顔を見れば声を掛けたくなる衝動が抑えられなかった為、こうしてじっくりと彼の顔を見るのを1週間ぶりだ。
改めて見ると、本当に綺麗な顔をしている。
長いまつげやスッと通った鼻筋。
それから綺麗な二重。
私よりも綺麗な横顔に惚れ惚れしてしまう。
ぼんやり眺めていると、彼の唇に目が止まる。
あの少し薄めな唇に何度もキスをされた。
初めては触れるだけの優しいもので、徐々に触れる面積が増えていく。
下唇を啄まれると舌が入る合図。
角度を変え、激しさが増す。
それが普段冷静で穏やかな彼と違い、とても情熱的で一瞬で身体の熱を上げられる。
彼とのキスを想像するだけで、こんなにもお腹の底が疼いて堪らない。
〝触れたい〟
気づけば無意識にその唇に手を伸ばしてしまう。
彼がその気配に気づいて振り向くのがわかって慌てて伸ばしたで彼の裾を掴んだ。