一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
それから眼科で目薬を処方してもらい、目的のパンケーキの店に到着した。
中を覗くと既に若い女性客で一杯で、男性の彼には少し居ずらい空間かもしれないと不安になる。
しかし彼は気にも止めることなく、私の手を引き中へと入っていってしまう。
『可愛いお店ですね。』
「暁人くんには少し可愛いすぎたかなっ?!男性のお客さんも殆どのいなくて居づらくない?もし居づらかったら場所変えてもいいよ、、?」
『確かに若い女性客が多いですね。でも俺としてはその方が安心できるので都合がいいです。』
「へ?安心??どうして???」
『、、、紗江さんは気付いて無いと思いますけど、眼科でもずっと紗江さんの事をチラチラと見ている男が多くて気が気じゃなかったですから。』
「気のせいだと思うよ!?」
『気のせいなんかじゃありません。普段でも可愛い紗江さんなのに、いつも以上に可愛いく着飾った紗江さんを他の男に見られくありません。』
私の頬を触れながら少し不貞腐れる彼に周りの女性客からは少し騒めく声が聞こえる。
「暁人くんっ、、!!ここお店の中だよ!?ただでさえ男性のお客さんが少ないから暁人くんは目立ってるのに更に目立ってるよ!?」
『恋人同士なんですから構いません。久しぶりのデートなんですから、可愛い紗江さんを堪能させて下さい。それよりも注文しましょう?紗江さんはどれにしますか?』