一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
呼び止められた女性スタッフさんはなんだかとてもご機嫌で厨房の方へと帰っていった。
それにしても何故アイス?
ホットで合っていたのにわざわざ呼び止めてまで注文し直すなんて、、、。
疑問に思い、彼に尋ねようとすると突然彼が立ち上がり私の背後へと回った。
そして椅子の背もたれに掛けていたコートを無言で私の肩にそっと掛けた。
「え?暁人くん?」
『暑いのかもしれませんが、飲み物は冷たいモノに変更しましたのでコートは着ていて下さい。勝手な事をして、すみません、、。』
「うん?それはいいんだけど、、。」
しょんぼりした表情を浮かべて向かい側に座った彼。
注文を変更した事を申し訳なく思っているのか、なんだか元気がない。
そんな事、気にしなくて良いのにと笑顔で声を掛ける。
「アイスにしようかホットにしようか迷ってたから全然気にしてないで?寧ろ暑くなってちゃってアイス飲みたくなっちゃってたからっ!それよりもこの後はどうする?暁人くんは何処か行きたい所とかない?」
『、、、、誰も居ない所がいいです。』
「え?ごめん、聞こえなかった。もう一度いい?」
『いえ、、何でも無いです。そうですね、少し暑いので涼しい所がいいです。』