一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
意気込んでみたものの、いざその下着を身につけようとすると躊躇してしまい長い時間浴室で立ち尽くしてしまう。
『紗江さん?随分と長湯ですが大丈夫ですか?』
相当長い間、羞恥心と闘っていたらしく脱衣所の扉の向こうから心配そうに彼に声をかけられ慌てて下着を身につけ声を上げた。
「だ、大丈夫っ、、!少しだけのぼせちゃってっ、、でももう大丈夫だから!!」
『それは心配ですね。では冷たい飲み物を準備しておきます。』
「あ、ありがとっ!」
彼の気配が扉の向こうから無くなって、ほっとして深いため息を吐いた。
いい加減に覚悟を決めなければと頬を強めに叩く。
「女は度胸っ!!!」
そう呟いてから、セクシーな下着姿にバスローブのみを羽織って脱衣所を出た。
キッチンからは彼が飲み物を準備してくれている音が聞こえて、今のうちだと急いでリビングの電気を消した。
そしてソファーに座って彼を待った。
お盆に飲み物を乗せた彼が真っ暗になったリビングへと不思議そうに近づいてくる。
目が慣れないのか、まだ私の存在には気付いていない。
『停電でしょうか?、、ん?もしかして紗江さん、こそにいますか?大丈夫ですか?』