一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
顔を上げて彼を見るととても穏やかで優しい表情をしていた。
その表情を見た瞬間、この下着を着るのもバスローブを身につけるのにあれだけ躊躇したのに羞恥心なんてなくなる。
湧いてきた感情はただ一つ。
〝この人の全てが欲しい〟という独占欲。
「、、暁人くん、これ停電じゃないの。電気付けて?」
『え?停電じゃないんですか?』
私の小さな呟きを拾ってくれた彼は立ち上がり電気をつけに行ってくれた。
そして明るくなった途端に目が合い、私の姿を確認するとその目が大きく見開く。
『っ、、、!?』
動揺する彼は一歩後ろへ下がると、直ぐさま視線が逸らされた。
『っどうされたんですか?!そんな薄着でっ、、!もしかして部屋着が見当たらなかったんですか、、?お、俺ので良かったらお貸ししますから少し待っていて下さい!』
こちらを見らずに徐々に距離を空けて遠ざかっていく彼を追いかけるようにソファーから立ち上がり、彼の手を取る。
「違うよ。忘れたんじゃなくて暁人くんに私を女の子としてもっと見てほしくてっ、、っ、、こんな恥ずかしい格好する恋人は、、嫌、、、?」