一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
『、、嫌です。だから服を着て下さい。お願いします。』
勇気を振り絞り放った言葉だったが、一向に目が合わない彼の口から放たれた言葉は酷く残酷なモノ。
彼は私をとても大切にしてくれる。
女の子扱いしてくれる。
甘やかしてくれる。
今までの誰よりも一番に。
それでも人は欲張りだから、穏やかに甘やかされるだけじゃ物足りなくなってしまった。
好きな人には激しく求められたい。
そんな私の貪欲な想いが私達の関係をたった今、壊した。
表情を歪ませて視線を逸らしたままの彼が視界に映って、目からは大粒の涙が溢れる。
結局の所、いつもと一緒で私の独りよがりだったの恋だったのだと。
こんなに触れたいという衝動に駆られるのも、、好きなのも、、私だけ。
「ごめんなさいっ、、帰ります。」
そう一言彼に言葉を掛けてリビングを飛び出した。
バスローブから私服に着替える僅かな時間さえ、彼の部屋に居てはいけない気がして服を抱えてバスローブのまま玄関へと走った。