一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


男性が興奮して一歩前に出そうとした瞬間、隣で黙って聞いていた真由ちゃんが私の前に立ち塞がって手のひらを前に突き出した。










「紗江は片瀬くんしか無理だって言ってるのが分からないの?今の今まで紗江の魅力に気づかなかった癖に。本当もうっ!なんなの!?兎に角!!紗江はお断りです!!部署に戻る所なので失礼します!!!行こ!」




目を釣り上げて男性を睨みつけると私の手を取り、部署の方へと歩き出した真由ちゃん。

引きずられるようにその場を去る事になり、男性には頭を下げてその場から離れた。











「もー!!腹立つっ、、!!」



小柄な真由ちゃんに大股で引っ張られる。

まるで自分の事のように怒ってくれるのが嬉しくてなって笑みが溢れた。










「、、ありがと、真由ちゃん。でもそんな怖い顔しないで?可愛い真由ちゃんが台無しだよ。何にそんなに怒ってるの?」

「だってもの凄く腹立つじゃない?!片瀬くんが花開かせた途端に言い寄ってきてさ!?!?紗江は元々美人だし!優しくて面倒見もいいし!凄くいい子よ!?、、確かに!片瀬くんと恋人同士になってここ最近は特に、、色っぽくて更に綺麗になったし以前よりも柔らかい雰囲気で割増で可愛いよ!?でも紗江をそうさせたのは片瀬くんだし!!自分達はそうなる以前の紗江の魅力には気づかなかった癖に横恋慕ってどうなの!?!?」


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