一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
そう言って見つめてると彼の瞳がユラユラと揺れ、突然彼に引き寄せられた。
そして少し震える声で呟く。
『、、会ってくれるんですか?あの人に。』
「うん、会いたい。」
『嫌な思いをさせてしまっても、、?』
「それでも。会いたいよ。」
暫く無言で痛いくらいに抱きしめられると、ぎゅっと彼の腕に力が入ったのが分かった。
そして消えるような小さな声が耳に響く。
『っ、、、、会ってくれますか?あの人に。』
「うん。会いにいこう?2人で。」
『っ、、ありが、、とうございます、、、。』
「ふふ、こちらこそありがとう?ちなみにお父さんはどちらに?」
『、、基本的には海外を飛び回っています。たまに仕事でこっちにいるようですが、もう随分と顔を合わせていないので正直、どこにいるのか分かりません。』
「え!?そうだったの?!?!じゃあお仕事も忙しいなら直ぐには会えないんだね。」
『連絡手段はありますのでご安心下さい。昔からあの人の秘書をしている人とは連絡を取れると思います。、、その人もあまり得意ではありませんが。』
「、、本当に大丈夫?」
実際にお父さんに会いたいのは私の我儘で自己満にしか過ぎない。
だから彼には嫌な思いをするだけなのでは?と今更ながら不安になっていると抱き合っていた体が離れ、顔を合わせられた。