一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


そう言って見つめてると彼の瞳がユラユラと揺れ、突然彼に引き寄せられた。

そして少し震える声で呟く。










『、、会ってくれるんですか?あの人に。』

「うん、会いたい。」

『嫌な思いをさせてしまっても、、?』

「それでも。会いたいよ。」








暫く無言で痛いくらいに抱きしめられると、ぎゅっと彼の腕に力が入ったのが分かった。

そして消えるような小さな声が耳に響く。





























『っ、、、、会ってくれますか?あの人に。』

「うん。会いにいこう?2人で。」

『っ、、ありが、、とうございます、、、。』

「ふふ、こちらこそありがとう?ちなみにお父さんはどちらに?」

『、、基本的には海外を飛び回っています。たまに仕事でこっちにいるようですが、もう随分と顔を合わせていないので正直、どこにいるのか分かりません。』

「え!?そうだったの?!?!じゃあお仕事も忙しいなら直ぐには会えないんだね。」

『連絡手段はありますのでご安心下さい。昔からあの人の秘書をしている人とは連絡を取れると思います。、、その人もあまり得意ではありませんが。』

「、、本当に大丈夫?」








実際にお父さんに会いたいのは私の我儘で自己満にしか過ぎない。

だから彼には嫌な思いをするだけなのでは?と今更ながら不安になっていると抱き合っていた体が離れ、顔を合わせられた。

< 288 / 456 >

この作品をシェア

pagetop