一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
彼はどんな表情をしているのだろうと恐る恐る顔を上げると、泣きたくなるくらいに優しい表情をしていて何故か私が泣きたくなった。
我慢出来ずに涙が一粒こぼれると、彼がそれを優しく掬って困ったように笑った。
『、、本当に優しい人ですね。大丈夫ですよ。紗江さんがいれば。俺にとって貴方は生きる為の原動力なんですから。』
「っ大袈裟っ、、!」
『大袈裟ではありません。俺は紗江さんさえ側に居てくれたのならあとは何も望みません。だから、、、あの人に報告し終わったら、2人の将来について真剣な想いを伝えてもいいですか?』
「うん、、勿論だよ。」
彼の言葉にもしかしたら、、と期待してドキドキしてしまう。
あまり期待していると重く思われるかもしれないと、素早く立ち上がり声を掛けた。
「ご、ご飯がまだだったよね!私、何か作るよ。何か食べたいリクエストある?」
『紗江さんの作るものなら何でも。』
「あ、それ1番困るやつだ。」
『すみません、でも紗江さんが作る料理は本当に何でも美味しいので。』
「えぇ〜、、じゃあ冷蔵庫の中見て決めるよ?」
『はい。あ、俺も手伝います。』
2人ならんでキッチンに立った。
こうしていると何だか既に将来を約束した仲みたいでとてもフワフワとした気持ちになった。
こんな未来がずっと続けばいいのにと願ったのは、、隣の彼は知らない。