一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
episode 11
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その日は突然、やってきた。
彼の話だと彼の父親は海外を飛び回っていて、とても多忙な人だと聞いていた。
だから直接会う事が出来る日なんて、きっと先の話だと思っていた。
それがなんと話が上がったあの日から1週間しか経っていない今日、会える事になったのだ。
仕事が休みなのにも関わらず、いつも以上に早く目が覚めてしまった。
やはり緊張はしてしまう。
そうそうに準備を済ませ、彼の迎えを待つ。
鏡を見て全身を隈なくチェックしては座るを繰り返しソワソワと落ち着かない。
朝から何杯目か分からないコーヒーを飲みながら考える。
一体、どんな人なんだろうか。
彼の言うように無関心で冷たい人?
それならばこうして会う機会を早々に作ってくれるのだろうか。
それとも私との交際を反対していて、直接別れさせようとでもしているのだろうか。
そう思うと少し怖くなって体が震えた。
普通に考えれば一大企業の御曹司の彼。
唯一の跡取りでもある彼が一般企業の営業として働いている方がおかしい。
結婚だって普通に考えれば利益のある政略結婚だろう。