一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》

しかし彼が言うには〝自分は自由を勝ち取った〟という。


だからこれからの人生も将来のパートナーも全て自分自身で決めるのだと。





















でも、、、そんな事、本当に許されるの?


もし彼の父親から直ぐに別れるように言われたのなら、私はどうすればいい?

笑顔でお別れできる?













自分で会いたいと言っておきながら、今更ながら不安で押しつぶされそうになる。


そんな時チャイムが鳴り、はっとなった。






彼は私以上に不安なのに、私がこんなんじゃ絶対に駄目だ。

頬を軽く叩いて気合いを入れ直して立ち上がる。







そして深く深呼吸をして彼が待つドアを開ける。



















『おはようございます、紗江さん。』




仕事の時以上にキッチリとしたスーツ姿の彼。

それが怖いくらいに別人に見えて戸惑っていると、私の全身を眺めて優しく微笑んだ。







『今日はいつも以上に綺麗で可愛いですね。もしかして、、この日の為に?』

「っ、、うん。真由ちゃんに見立ててもらって、こういう服あんまり着た事ないから似合ってないかもだけど、、暁人くんのお父さんに会うのにちゃんとした格好じゃないとって思って。」

< 291 / 456 >

この作品をシェア

pagetop