一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
2人の間には少し距離があって、無言で休憩所へと移動する。
この時間は誰もいない休憩所のソファーに向かい合わせてになって腰掛けた。
『話とは、一体なんでしょうか?』
「うん。まず、お昼はごめんね?情けない姿を見せちゃって。」
『いえ、、何事かと驚きましたが、悲しくて泣いていた訳じゃないのだと理解してホッとしました。』
「実はね、今日人事課に呼ばれてね。庶務課の〝主任〟にならないかって打診を受けたの。」
『、、え!?本当ですか!?!?』
少し俯きぎだった彼が私の言葉を聞くなり凄い勢いで顔を上げ、手を取ると強く握ってくれた。
『凄いです!!流石紗江さんです!!!いや、でも紗江さんの実力なら評価されるのが遅すぎたくらいです。紗江さん以外に適任はいませんよ。庶務課の皆さんも他部署の皆さん同意見でしょう。これで庶務課も安泰ですね!!』
目をキラキラと輝かせて、自分の事のように喜んでくれる彼に愛おしさが込み上げる。
「ありがと、、。本当はこの打診を受けた時、凄く不安だったの。私なんかが務まるのかって。それを社食で真由ちゃんに相談してたんだ。でも暁人くん同様に真由ちゃんにも同じ言葉を貰って、、嬉しくて涙が止まらなかったの。」