一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
『そうだったんですね。紗江さんは昔から自己評価が低くすぎるんですよ。これからはもっと自信を持ってください。紗江さんは仕事もプライベートもそつなくこなす素敵な女性なんですから。』
「ありがと、暁人くん。」
こんな風に笑い合ったのは久しぶりだ。
だからか、最近の距離感を忘れつい彼の体に手を伸ばした。
するとビクッと激しい拒絶を見せ、近かった2人の距離が一気に離れてしまった。
「あ、、、。」
『っ、、すみません。調子に乗ってしまって。お話は以上ですか?他に無ければ、、帰りましょうか?』
申し訳無さそうに目を伏せて立ち上がってしまった彼に今の思いをぶつける。
「怖いのっ、、!」
『え、、?』
「暁人くんが離れていっちゃうんじゃないかって、、怖いの。こんな事思うのも初めてで、好きだから不安でどうにかなりそうなの。私の所為で新たなトラウマを植え付けてしまったのなら、絶対に私が癒やしてみせるからっ、、だからもっと近くに来て、、?離れたりしないでよ、、。」
『紗江さん、、。』
「っ、、私、暁人くんが嫌がっても遠慮とかしないから!!そのつもりでいてね!?」
そう言って彼に思い切って一度ギュッと抱きついてからその場を離れた。
「じゃ、じゃあ私は帰るね!話を聞いてくれてありがとっ!!また明日ね。」