一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
そして素早く車から降りて手を振った。






「送ってくれてありがと!おやすみなさい。」



彼が今、どんな表情をしているのか確認するのが怖くて逃げるように階段を駆け登る。

そして一度も彼を見ることなくドアノブに手をかけ中へ入った瞬間、外から彼の声が響き渡った。













『紗江さんが好きですっ、、!それは今も昔も変わりません!それだけはっ、、信じて下さい!!!!!!!』



そして聞こえた車が遠のいていく音。

暫く玄関から動けずにいた。




ドアにもたれかかって静かに涙を流した。






好きな人に好きだと言ってもらえる事なんて奇跡みたいなものだ。

彼からの言葉に嬉しさで心が震える。






明日からもまた頑張ろうと思える。


前に彼が言ってくれた言葉を思い出した。








〝貴方が自分の生きる意味〟




まさにこういう気持ちなんだ。


彼の事で一喜一憂して、でもそれこそが生きる為の活力なのだ。




ここ最近は眠りが浅く、寝不足が続いていたが今日はぐっすりと眠れそうだ。


その日は早々にシャワーを終えて、大好きな彼を思いながらゆっくりと眠りについたのだった。

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