一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
episode12
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昇進の打診があった日から数週間経ち、人事部長への返事も残す所あと2週間になった。
今日も仕事に追われる。
前まではそれが重圧でしかなかったが、皆から信頼されているのだと分かると途端に見え方が変わって背筋が伸びる思いだ。
もっと頑張らなければと強く思う。
一方、彼とはリハビリのような日々を送っていて少しずつではあるが私に触れられるようになった。
手を繋ぐ事から初めて、ハグやキスまでは出来るようになった。
まるで中学生のような関係だが、青春時代に戻ったみたいでなんだかくすぐったい。
彼の私への罪悪感も薄くなってきているように見受けられる。
私の身体もあんなにあった鬱血痕も綺麗になくなり、これでいつそういう事になってもトラウマを呼び起こす事態もなさそうだ。
ホッとしている反面、正直少しだけ切なくなる。
シャワーを浴びるたび、その痕を見るたびに彼の存在を確かめる事が出来たからだ。
確かに怖さはあった。
でもそれ以上に彼の事が好きで、あんなに乱暴に抱かれたのに喜びさえあったのだ。