一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


今後の自由を引き換えに?


一体、慎一が何の話をしているのかサッパリ分からない。








「弟さんは事情をご存知でしたか。その感じだと他のこともご存知のようですね。、、それもそうか。暁人さんの唯一無二の親友さんには話していて当然です。」

「俺のことはどうでもいいだろ?それより姉貴は何で会ったことあんの?」

「えっと、、その、、、。」






鬼の形相をした弟に戸惑っていると芳川さんが変わって答えた。









「先日、2人揃って社長にご挨拶にいらして下さったんですよ。私に会わせたい人がいると連絡が来た時には、正直驚きました。弟さんがいうように暁人さんは晴れて自由の身。、、もう二度とお会いする機会はないと思っていたので。」




そう言って目を伏せた姿は病室で見たお父様と重なってどこか寂しそうに見えた。

すると急に顔を上げた男性。



目が合うと、とても優しい表情になった。









「怖い思いをさせてしまい、本当に申し訳ありませんでした。実は、あれからずっと貴方が気になっていて密かに見ていたんです。それで気付いたんです。柏木紗江さん。貴方が暁人さんを変えて下さったんだと。」

「私が、、?暁人くんを、、、?」

「そうです。そして幼少期の頃からお二人がずっと暁人さんを支えて下さったのしょう?お二人には、社長に変わって感謝申し上げます。」





そう言って深く腰を折って頭を下げた男性。

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