一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
「そんなっ、、頭を上げて下さいっ、、!」
慌てて男性に声を掛けるが、腰を折ったまま言葉を続けた。
「本日は貴方にお願いがあって参りました。どうしても聞いて頂きたいお話があるのです。」
「聞きますっ!!聞きますからっ、、!どうか頭を上げて下さいっ!!!そこのカフェに入りましょう!?芳川さんも体が冷えています。」
そう言って芳川さんの腕を掴むと、ようやく顔を上げてくれた。
「行きましょう、芳川さん。」
そう言って芳川さんと2人でカフェの方に足を向けると慎一から行手を阻まれた。
「待てよ。暁人の話なら俺も聞くから。構わないよな?それが駄目なら姉貴は行かせない。」
慎一が真剣な表情で芳川さんに尋ねると、目を細めてとても優しい表情で頷いた。
「素晴らしい姉弟愛ですね。、、羨ましいです。自分は築き上げる事が出来なかったモノですから。勿論、構いませんよ。そうして頂いた方がきっと良いです。」
何故か慎一も一緒に話を聞く事が決まり、3人でカフェへと向かう。
着くなり向かい合うように座るとコーヒーを注文してから無言でコーヒーを待った。