一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
だから早く解放してあげたい。
興奮しているのか肩で息をするように荒々しい彼の手を両手でぎゅっと握りしめる。
そしてその小刻みに震える手にキスを落とした。
「大丈夫。暁人くんはもうずっと自由だったよ。」
『俺が、、自由、、、?』
「、、そうだよ。苦しくて辛い思いもしていたから信じられないかもしれないけど、、暁人くんは自由だった。芳川さんが教えてくれたの。私が今伝えられるのはそれだけ。もし暁人くんが私の事を信じられないなら、、それでもいいよ。信じるか信じないかは暁人くんの自由だから。」
『、、信じていると言ったらどうなるんでしょうか?』
「もう一度、芳川さんに会って欲しい。そして私が聞いた真実を暁人君にも聞いて欲しい。」
『では、、、、、、信じられない、、と言ったら、、?』
見つめ合う彼の瞳がユラユラと揺れる。
彼を追い詰めたい訳じゃない。
だからハッキリと言えるのは一つだけ。
元々長期戦は覚悟していたもの。
「信じてもらえる日まで待つよ。」
『、、何年、掛かっても、、、?』
「何年掛かっても。」
『何故、、そこまで、、、?』
「そんなの簡単な理由だよ?暁人君の事が大好きだから。」