一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
『っ、、これ以上、紗江さんを好きになるのが怖いんです!片想いをしていた時期は貴方に振り向いてもらうのに必死で取り繕って、いざ振り向いてもらったら少しは余裕が持てる筈だったのに、更に自制が効かなくてっ、、欲は増すばかり。いつか紗江さんを壊してしまうんじゃないかと不安で堪らないっ、、!それなのに!!!!』
苦しそうに表情を歪める彼。
小柄で可愛い華奢な女の子達と違って巨漢な私が壊れる訳ないのに。
それなのに彼にとって私は彼女達同様に〝女の子〟なんだという認識に自然と笑みが溢れる。
ありのままの私を好きでいてくれる。
彼はそういう人だ。
いつも私の心配ばかりして、自分の事は疎かで。
私の事は過剰評価しすぎるくらいなのに、何故か自分の事は過小評価しすぎで。
私には惜しげもない愛情を注いでくれるのに、自分は愛されていると自覚していない。
それでも必死に、不器用に、愛してくれる人。
私が好きになった人はそんな人。
彼の全てが愛おしくて堪らない。
だから私は彼に笑顔で手を伸ばす。
「ふふっ、、壊れたりしないよ?でも、、暁人くんになら壊されてもいいと思ってるから。」