一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
つい溢れてしまった本音を隠すように彼の首に両手を回してキツくしがみ付くと、彼も同じ様に私の身体を痛いくらいに抱きしめ返してくれた。
そして私達はどちらからともなく手を伸ばした。
トラウマなんか思い出せないくらいに互いを求め合った。
力強く荒々しいのに、どかこか優しくて。
なにより互いの肌に触れ合うのは、あまりにも久しぶりで泣きそうになった。
いや、きっと泣いていた。
あまりにも幸せで夢見心地な時間。
柄にもなく時が止まればいいのにと願った。
全身が燃える様に熱くて、溶け合って、どこまでが自分の身体なのか分からない程に隙間なく繋がって、果てては深く繋がってを繰り返す。
『、、芳川さんの話を聞きます。』
私を抱きしめていた彼がそう呟いたのを最後に私はゆっくりと意識が遠のいていった。