一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
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必死に抱きしめ返してくれていた彼女の力がすっと抜けたのが分かった。
そんな静かに落ちていった彼女を抱き寄せる。
、、ちゃんと聞こえただろうか。
無理をさせてしまった為、最後に伝えた言葉を聞こえたのか今は分からない。
あの人と久しぶりに会って彼女を壊す様に身勝手に抱いた日からトラウマになっていた。
きっと彼女は怖かったに違いない。
なにより自分自身が怖くて堪らなかった。
自分の中に、こんなドス黒い感情があったなんて知らなかった。
果てても果てても渇くばかりで、満たされることなどなくて、、気付けば彼女は血色のない悲惨な状態で横たわっていた。
その姿を見た時に初めて自分の犯した罪に気づいた。
謝って済む問題なんかじゃない。
長年大事に想ってきた彼女を自分自身がこんなにも傷つけた。
そんな自分に憎悪しかなくて、彼女が離れて行くことも覚悟していた。
しかし彼女は震えながらもこんな自分に寄り添ってくれた。
だからこそ、もう2度と間違えないように必死で彼女の事を壊れものを扱うように接した。