一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》

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芳川さんと3人で会う日が週末に決まり、それまでの数日はとても穏やかに過ごした。

朝から一緒に出社し、各々に精一杯に仕事をこなしてから一緒に帰宅する。



そして食事も就寝も共に。

深く繋がって抱き合ってお互いの気持ちを確かめ合いながら過ごした。




だからからか、不思議と不安はなかった。

きっと彼も同じだったと思う。






前回、彼の父親に会いに行った時のような張り詰めた空気はなく普通のデートのように芳川さんとの待ち合わせ場所に向かった。


待ち合わせをしたカフェには既に芳川さんが神妙な面持ちで席に座っていて、待ち合わせ時間より20分も早いのに待機している所を見るに、相当緊張しているのが分かる。







すると彼が私の手を引き、すぐさま芳川さんの待つ席へと向かった。

そして俯いて私達の存在に気づかない芳川さんに声を掛けた。










『ご無沙汰しています、芳川さん。お待たせしてしまい、申し訳ありません。』





彼の言葉に弾かれたように顔を上げた芳川さんは立ち上がり泣きそうな表情を浮かべ声を震わせた。

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