一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


「暁人さんっ、、柏木紗江さんっ、、!本日はお忙しい中、、来て下さってっ、、本当にありがとうございますっ、、!!!!来てくださらないかもと、、思っておりました。」

『そうですね、、以前の自分なら絶対に来なかったと思います。でも彼女が居てくれるから前へ進む覚悟ができました。立ち話も何ですから、座りましょう。』









少しだけ注目を浴びてしまっている事に彼は困った表情を浮かべつつも芳川さんに席に座るように優しく促して私達も腰を下ろした。






「し、失礼しましたっ、、!お2人はコーヒーで宜しいですか?!」

『はい。紗江さんもコーヒーで大丈夫ですか?』

「うん。」






以前と立場が逆転している事に何だかおかしく感じる。





普段の芳川さんはきっと冷静沈着でちょっとやそっとのことでは動じない大人な男性だ。

それが予想外な事に慌てふためいている。






彼も以前なら感情を爆発させていたのかもしれないが、落ち着いてとても穏やかな表情を浮かべている。

人はきっかけがあれば幾つになっても変われるのだと痛感させられた。



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