一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


しかし直ぐに表情を変え、力強く宣言した。










『父は手術を受けると言ってくれました。そして前回同様に〝お前は好きに生きなさい〟と。長い間受けてきた恩はこれから少しずつ返していきたいと考えいます。』




真面目な彼らしい言葉だなと嬉しく思った。


翌日には芳川さんからも連絡が入り、和解に至ったのだと涙声で報告を受けた。





















それから彼は週に一度は病院へ訪れている。


手術の日取りも決まり、着々といい方向に進んでいる。









少し心配な事といえば、彼が今まで以上に忙しそうにしているという事だ。

















「紗江?、、どうしたの?心配事?」

「あ、ううん。心配事っていうか、、最近暁人くん、凄く忙しいそうにしてるから、、。うちに来てもよく電話とか鳴ってるし。口調的に仕事っぽいんだけど、昼夜問わずだから身体を壊さないか心配で、、。」

「営業あるあるじゃない?陽介さんもそんな感じだよ。家でもしょっちゅう電話してるもん。いつも以上に張り切ってるんじゃない?それか本格的にプロポーズに向けて動いてるとか。」

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