一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


そしてデスクに向かって座っている私に視線を合わせるように屈むと真剣な表情で言葉を発した。









『紗江さん、お疲れ様です。大事なお話があります。仕事終わりで構いませんので時間を取って下さいますか?』

「え?勿論、大丈夫だよ。じゃあうちでご飯食べる?何食べたい?」

『いえ、、、予約しているので外で食事しましょう。』

「え?!う、うん、、分かった。」

『、、良かったです。仕事が長引くかもしれないので紗江さんは一度帰宅していて下さい。それから待ち合わせしましょう。場所また連絡します。ではまた夜に。』

「う、うん。」









私の返事を聞くとホッとした表情を浮かべ、颯爽に離れて行った彼。





大事な話って、、、もしかして、、?













「いよいよかなぁ〜?」

「っ、、?!」



隣から肘で小突かれ、体が跳ね上がる。






「私の時みたいなサプライズ!、、というか突然のプロポーズも素敵だけど、前もって予約されるのもドキドキするねー。」

「真由ちゃんっ!そうと決まった訳じゃないよ。」

「だって〝大事な話〟だよ?しかも予約までして?それ以上に大事な話なんて他に無いでしょー!」



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