一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


それからの仕事に身が入らずにソワソワしてしまった。


社会人として失格だと分かっているけど、人生の転換となる今日この日に冷静ではいられない


少し定時を押した所でノルマが終わり、急いで帰る支度をしていると隣の真由ちゃんから声を掛けられる。









「紗江お疲れ〜。ちゃんと可愛い格好していきなよ?間違いなくそうなんだから!」

「、、うん。」

「じゃあまた明日っ‼︎嬉しい報告待ってる!」

「ありがと。また明日。」








真由ちゃんと別れ家へと帰宅した。

念入りにシャワーを浴びて、しっかりと化粧をし直し髪もコテで緩く巻いた。




そしてクローゼットを開け、自分的に1番女性らしい服に袖を通す。


丁度出掛ける準備が終わった頃に、彼から連絡が来ていて、以前の自分だったら絶対に履かなかったヒールの高めのパンプスを履いて待ち合わせ場所へと向かった。




待ち合わせ場所に指定されたのはこの辺では有名なホテル1Fのカフェ。

大人のデートスポットでも有名で最上階にあるガラス張りのレストランで記念日などに食事をするというのは、この辺ではちょっとした大人のステイタスだ。


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