一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


「そんな経験なんてありません!それに彼はっ、、!」






そう叫んだ時、急に視界が遮られた。

飛び込んできたのは一面のストライプ柄のネイビー。







これは彼が着ていたスーツの色。


同時に鼻をかすめる大好きな彼の匂い。













『、、何か御用ですか?』

「おっと、、これは失礼。本当に待ち合わせでしたか。いえね、とても綺麗な方が随分の長い間こちらで座ってらしたので悪い男にでも騙されているんじゃないかと心配していた所ですよ。でも良かった。」

『、、ご心配には及びません。今日でそれも終わりですから。失礼します。』













彼は意味深な言葉を男性に投げ掛けると私の方へ向き直り、真剣な表情をした。







『遅くなってしまい、すみません。上のレストランに行きましょう。』

「うん、、。」








何かしらの違和感を感じつつも彼の後を付いてホテルのエレベーターへと向かう。

中へと乗り込み、最上階へと上っていく。





ガラス張りのエレベーターからの夜景はとても綺麗でずっと彼と見ていたいと思ってしまう。

ちらりと彼の横顔を盗み見ると、私と違って遠くを見ているように見えた。

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