一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
時間が経てば、あの時の私はあれで良かったんだと思えると思っていたのに、、時間が経てば経つほどに後悔が押し寄せる。
あの時、もし手を伸ばしていれば彼にあんな顔させずにすんだのだろうかと。
そしてもしあの時勇気を出していれば、、今も私の隣で優しく微笑んでくれたのだろうかと。
気づけば涙が頬をつたっていた。
心の何処かで期待していたのかもしれない。
そのうち彼は戻ってくるって。
でもそんな訳ないんだ。
彼はもう日本には戻らない。
きっと二度と会う事も出来ない。
涙を止める術がなくて、両手で顔を隠してダイニングテーブルに頭をつけた。
私が弱かったせいだ。
今更嘆いても、もう全部手遅れ。
「お姉さん、、。」
綾ちゃんの心配そうな声を他所に慎一が私の心を読んだように一言呟いた。
「もう手遅れだって、決めつけるなよ。そんなのは何もしなかったヤツが言う事だ。」
その言葉にハッとなった。