一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》



慎一の言う通りだ。



私は嘆くばかりで何も行動してない。












じゃあ〝今〟の私に出来る事って、、?






涙が止まり、顔を上げるとバツが悪そうな表情を浮かべた慎一が口を開いた。












「失ったモノは自分から奪いに行けばいい。少なくともここで嘆いてるだけじゃ何も変わらないと俺は思う。、、後は姉貴次第だから。」






そういうと慎一もリビングから出て行ってしまった。










呆然としている私に最後まで残っていた綾ちゃんが複雑そうな表情を浮かべた。





「お姉さんが辛い想いをするくらいならこれで良かったんだって思っていました。そしてこのままここに居てくれればいいって、、そう思ってました。私達家族がお姉さんの胸に空いた穴を埋められればいいって。でもそれってやっぱり私達じゃ無理だったみたいです。私達の前では無理して笑ってるけど、時折苦しそうで私達も皆んなそれを見るのが辛かったです。お姉さんも気づいてますよね、、?それを埋められるのが誰なのか。」




諭されるように優しく問われ、大きく頷いた。













「うん、、彼だけなの。」

「だったらやる事は1つですよ。」


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