一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
言い合いの原因はどうやら私らしい。
「だ、大丈夫だよ。お姉さん、ちゃんと帰ってくるよ。確かにちょっと責めた感じになっちゃったけど、、皆んながお姉さんの事が大好きだって気持ちは分かってくれてると思うから。あ、、でもお姉さんが帰ってこない原因って私かもしれない。最後、リビングから追い出すみたいになっちゃったし、、。」
「綾は悪くないだろ。少し道草食ってるだけじゃないか?」
「にしても遅すぎる!!俺っ、、ちょっと探してくるっ!!!!」
1番下の弟がそう声を上げたのが聞こえて慌てて扉を開けた。
「た、、ただいま〜。」
皆、急な私の登場に驚いた様子を見せたが直ぐに安堵の表情を浮かべた。
心配ばかり掛けて不甲斐ない私だけど、皆んなが背中を押してくれて決断出来た。
グッと拳に力を入れて声を上げた。
「心配ばかり掛けてごめん!朝から一人暮らしのアパートを解約してきたの。あれこれ手続きしてたらこんな時間になっちゃった。連絡もせずに本当にごめんなさい。」
「ねーちゃん、、。」
深々と頭を下げてから覚悟を決めて顔を上げた。