一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
涙が枯れる頃には同僚達が次々に出社してきて、慌てて女子トイレに駆け込んで化粧をし直して笑い合った。
まるで学生みたいだねって。
その後、ひとり人事課へ向かった。
数人がかりで説得されたが、私の意思は変わらない。
そんな私にずっと黙り込んでいた庶務課の部長が一言呟いた。
〝頑張りなさい〟と。
こうして私の意向は受理された。
朝礼では部長の横に立って頭を下げた。
突然の事に同僚は動揺していたが、真由ちゃんの優しい声掛けに皆も同調するように声援を送ってくれた。
その優しさに本日2度目の涙を流したのだった。