一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
空港へと着いて直ぐに手続きをし、2人搭乗口へと向う。
皆からの見送りは断った。
皆の顔を見たら決心が鈍ってしまいそうだったから。
暫くすると搭乗案内が入り、立ち上がった。
「じゃあ、行ってくるね。」
「ん。」
「あのね、慎一にはまだまだ言いたい事が山程あるんだけど、どうしても最後に1つだけ、、言っておきたいことがあるの。」
私の改まった言い方にまだ小言を言われるのかと怪訝な顔をする慎一に、可笑しくて笑みが溢れた。
「彼に巡り会わせてくれてありがとっ、、!それじゃあ行ってきます!!!」
怪訝な表情から安心したような表情を浮かべた慎一の〝アイツに宜しく〟の言葉を最後に、私は日本を旅立った。
数時間のフライトを終え、私は初めての地に足をつけた。
周りからは英語が飛び交う。
元々英検はもっていたが、実際に使う機会もなく日常会話さえもあやしかった為、1ヶ月間学校に通い猛勉強した。
お陰で周りの会話もギリギリ聞き取れる。
まずは暫く滞在できるホテルへと向かった。
これも事前に調べておいた。
少しおぼつかない英語でチェックインを終え、ある人物に連絡を入れてからその日は早めに眠りについた。