一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
そんな2人のやり取りにハテナマークを浮かべていると握られていた手に力が込められた。
『ではまた来ます。お邪魔しました。』
「おう、またな〜。」
彼はそういうと、そのまま手を繋いで外へと出た。
『お待たせしてすみません。じゃあ紗江さん、行きましょうか。どちら方面ですか?』
「え!?あっ、、うん!でも手は繋がなくても大丈夫じゃないかな、、?」
『いいえ、この辺は物騒らしいので防犯の為にもこのままで。取り敢えず駅に向かいますね。』
結局は私の意見は聞いてくれず、そのまま手を繋がれて駅へと向かう。
いくら対象外の年下の子でも、こんな風に異性と手を繋いだのは久しぶりでどうしても手に意識がいってしまう。
彼も何かを話す訳ではなく、時折手に力が入るだけでそのまま2人無言で駅へと到着した。
「えっと、、ここまでで大丈夫だよ。目の前にバス停がある所だからここからはバスで帰るよ。暁人くんも色々と気疲れとかもある所に付き合わせちゃってごめんね?」
『、、それは遠回しに部屋を教えるのを拒否されてます?』
そういうと、手は繋がれままチラリと流し目で視線を向けられる。