一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
彼の放った言葉に周囲の視線が集まるのが分かって、真っ青になりながら慌ててデスクから立ち上がり彼の手を引いてその場から人気のない場所へと移動する。
たまたま空いていた会議室の札を〝使用中〟に変えて彼を中へと無理やり押し込んだ。
ようやく2人きりになって大きく溜息をつく。
それから目を釣り上げて彼に視線を向ける。
「片瀬君、言い忘れてたけど会社ではプライベートな話はしないでっ!片瀬君は自覚ないんだろうけど、、片瀬君は今やうちの会社の中で話題の人なの。だからなんでもない会話でも凄く注目されるんだよ。その事をもっと自覚して!」
『、、紗江さん、もしかしてそれで、、怒ってるつもりですか、、?』
「っ、、、怒ってるよっ!!!」
体が震えるほど怒っているのに、私の〝怒っている〟という言葉を聞くと目を見開いてから勢いよく顔を背けられた。
そんな彼に更に腹が立って、背けた彼の顔を覗き込む。
「片瀬君っ!聞いてる!?! ?」
『っ、、聞いてますよ。』
またもや顔を背けられ、今度は一歩後ろへと下がった彼。
「もう!ちゃんと聞いてるならこっち見て!!」