一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


確かに紗江は可愛いけど、どちらかというと綺麗という方がしっくりくる。

それに断然カッコいいという方が勝っていてイマイチ、彼の言っている事が分からない。

でも彼の真剣な表情を見るに、嘘偽りのない言葉だと言う事だけは分かった。









「、、そっか。半端な気持ちなら邪魔してやろうと思ってたけど、それだけ片瀬くんの紗江への想いを聞かされたら見守るしかないね。でもあの子、本当に恋愛に関しては疎いから。、、さっきのプリンのくだりとかハタから見たら完全に恋人同士だったけどね。見てるこっちが恥ずかしくなったし。」

『、、昔から弟としか見られてないんですよ。紗江さんにとって最初から年下は恋愛対象外なので。それに学生時代はさり気無くアピールはしてたんですけど、全くでした。』

「あれで気づかないとか柏木さんを振り向かせるには相当骨が折れるな。なりより営業は片瀬のライバルだらけだ。」

『そうみたいですね。当然といえば当然ですよ。例え恋人がいても結婚していても奪う覚悟で日本に帰って来ましたから、フリーの状態を口説けるなんて夢みたいです。課長、今日はお誘い頂いてありがとうございます。少し寄りたい所があるので俺は先に戻ります。』






なんだか怖い事を言って笑顔で立ち上がる片瀬くんに少しだけ恐怖を感じたが聞こえなかった事にして声を掛けた。


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