一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
episode4
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先輩に呼ばれて戻ってきてみれば、なんだか庶務課が騒がしい。
その騒がしさに他の部署の人も何事かと庶務課を覗いている。
慌てて入り口の人の中を掻き分けて戻って状況を尋ねる。
なんでもお得意の取引先に納品したモノの数字でケタ間違いがあったらしくそれでお怒りの電話が鳴り止まないらしい。
多い分は返品出来るが、少ない分は困るのだ。
足りないじゃ済まされない。
絶対にあってはならないミス。
会社の信用問題に関わるからだ。
庶務課ではその納品書の控えを探しているようだが、話はどんどん悪い方へと進んでいく。
「第一に納品書を作成した芹沢くんはこの数字のミスに気づかなかったのか!?!?あからさまに数が普段より格段に少ないじゃないか!!!」
「っ、、そんな!!私の所為だとおっしゃるんですか!?私は言われた通りに納品書を作成しただけですっ、、!」
確かに長年庶務課に勤めて居る者はケタ違いに、書類作成段階で気づいたかもしれない。
でもこれを作成したのは入って間もない新人の子。
それはあまりにも無理な注文だ。
冷静になれば分かる事なのに、完全に頭に血が上っているのか部長は犯人探しをしている。