一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
彼の話をしていると、立ち上がり何故かこちらに向かって歩いてきた彼。
そして優しく手を握られた。
『お疲れ様です、紗江さん。もしかして終わりました?それなら帰りましょうか。』
「え?!あっ、、ごめんね!まだ終わってなくて。片瀬くんは終わり?私はもう少ししてから帰るから先に上がって大丈夫だよ。」
『後どのくらいですか?』
「あとはこれのデータの打ち込みとこれと。」
そういうと私の手を離し私のデスクの上に置いていた書類を手にして、真由ちゃんの席に腰かけた彼。
バックからノートパソコンを取り出し机に置いて、電源を入れ始めた。
「、、え?片瀬くん?」
『これは俺がします。紗江さんは他のをして下さい。2人でした方が早いです。』
「いいよ!?片瀬くんだって疲れてるんだから帰れる時は帰らないと!」
『疲れてるからですよ。だから紗江さんと一緒に居たいんです。、、駄目ですか?』
「だっ、、駄目じゃないけど、、っ。」
そう言われてしまえば断れない雰囲気になってしまった上に、同じく残業で残っている人達も私達の行方を見守っている。