一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


パソコンの電源を切り、まだ残って残業している人に頭を下げてから立ち上がった。

そして隣の彼に向かって手を出す。







「片瀬くん、、バックそろそろ返して?」

『いえ、これは人質として預かって置きます。逃げられると困るので。』

「逃げないよ〜。それに以外と私のバックって重いでしょ?だから大丈夫だよ。」






そんな私の言葉を無視して、彼は周りの人達に深々と頭を下げて声を掛けた。





『では、お先に失礼します。お疲れ様です。』

「お疲れ様でーす。2人とも気をつけて。」

「片瀬さん、頑張って〜。」

「送り狼にはなるなよ!」

『はい、、善処します。』







そう言うと私のバックを持って先に部署を出て行ったしまった彼。






「っ、、お先に失礼しますっ!」


私も残っている人達に一言声を掛けてから急いで彼の後を追いかけた。




脚の長い彼の事だからもう結構先に行っていると思っていたが部署を出た所で壁に持たれ掛かっていて、私が彼の場所まで追いつくと同じ速度で隣を歩いてくれる。






「遅くなっちゃったね〜。片瀬くん、本当に駅まで送ってもらっても平気?」

『いえ今日は駅ではなくて。』


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