一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


てっきり会社を出たら駅方面に向かうと思いきや、まさかの逆方向で彼が向かった先は会社の駐車場。


私のバックを持ったままの彼に戸惑いながら着いて行くと、一台の車の前で止まった。






ポケットから車の鍵を取り出すと、助手席のドアを開けてそこへ乗るように促された。

突然の事に戸惑って乗るのを躊躇していると、真剣な表情をした彼から真っ直ぐに見つめられた。







『週末にようやく車があっちから戻ってきまして、今日は車で来ました。、、車内では指一本貴方に触れないと神に誓います。だから家まで送らせていただけませんか?』



ユラユラと瞳が何故か不安そうに揺れている彼に理由は分からないけどこれ以上不安な思いをさせたくなくてすぐに助手席に乗り込む。










「ありがと。じゃあ遠慮なくお願いします。」




助手席に乗り込んだ私の様子を見た片瀬くんは驚いた表情を浮かべ戸惑いながら運転席へと乗り込んだ。

彼が乗るように促したのに、そんな態度を取るのがなんだか可笑しくて笑ってしまった。









『っ、、本当にいいんですか?』

「ふふ、なんでそんな事聞くの?送ってくれるって言ったの片瀬くんだよ。」

『いえっ、、てっきり断られると思っていたので、あまりにも予想外過ぎて驚いたといいますか、、。』


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