心がささやいている
そんな私に気付いていたかどうかは分からないけれど、幸村くんはさり気なく視線をそらすと「別に優しいとか、そんなんじゃねぇけど…」と、再びテーブルを拭く手を動かし始めた。もしかしたら、照れていたりするのかも知れない。
「何にしても俺、口は堅い方なんで。言いふらしたりしないから安心しろよ」
「うん…。ありがと…」
幸村くんの言葉に、何だか心が軽くなった気がした。
ふっと肩の力が抜けて、自分でも気づかぬうちに緊張していたことを知る。
「仕方ない」「いつものことだ」と諦めていながらも、やっぱり何だかんだ人に避けられたり否定されるのは怖いんだなぁと、自分自身のメンタルの弱さには笑ってしまうけれど。
「まぁ辰臣さんの場合、そーいうの抵抗なく信じちゃうタイプだから全然問題ないとは思うんだけどなー」
ぽつりと呟かれた言葉に「そうなんだ?」と、きょとんとしていると再びこちらを振り返った幸村くんが不意に何かを思い出したように言った。
「ああ…っていうか、既にお前は『天使ちゃん』認定されてるんだったっけ」
「?」
「そうだ。今更だよ、月岡。この件に関しては全然問題ナッシングだ」
「は…?えっ?」
(天使ちゃん認定…?ってなに?何がナッシング??)
勝手にひとりで納得して、どこか悪戯っぽく笑っている幸村くんに、訳が分からず疑問を口にしようとしたところで大空さんがゴミ捨てから戻って来た。
「よーっし、お掃除終了っと!あ、咲夜ちゃんゴメンね。今お茶入れるから座って座って。今日は頂き物のお菓子があるんだー。颯太、あれ出してくれるかな?」
「りょーかいっ」
幸村くんは「お前もコーヒーで良いよな?」と確認すると、給湯室へと戻って行ってしまい、話は途切れてしまった。
「何にしても俺、口は堅い方なんで。言いふらしたりしないから安心しろよ」
「うん…。ありがと…」
幸村くんの言葉に、何だか心が軽くなった気がした。
ふっと肩の力が抜けて、自分でも気づかぬうちに緊張していたことを知る。
「仕方ない」「いつものことだ」と諦めていながらも、やっぱり何だかんだ人に避けられたり否定されるのは怖いんだなぁと、自分自身のメンタルの弱さには笑ってしまうけれど。
「まぁ辰臣さんの場合、そーいうの抵抗なく信じちゃうタイプだから全然問題ないとは思うんだけどなー」
ぽつりと呟かれた言葉に「そうなんだ?」と、きょとんとしていると再びこちらを振り返った幸村くんが不意に何かを思い出したように言った。
「ああ…っていうか、既にお前は『天使ちゃん』認定されてるんだったっけ」
「?」
「そうだ。今更だよ、月岡。この件に関しては全然問題ナッシングだ」
「は…?えっ?」
(天使ちゃん認定…?ってなに?何がナッシング??)
勝手にひとりで納得して、どこか悪戯っぽく笑っている幸村くんに、訳が分からず疑問を口にしようとしたところで大空さんがゴミ捨てから戻って来た。
「よーっし、お掃除終了っと!あ、咲夜ちゃんゴメンね。今お茶入れるから座って座って。今日は頂き物のお菓子があるんだー。颯太、あれ出してくれるかな?」
「りょーかいっ」
幸村くんは「お前もコーヒーで良いよな?」と確認すると、給湯室へと戻って行ってしまい、話は途切れてしまった。