心がささやいている
そう辰臣が言い終わると同時に、まるでそれに同意するかのようにランボーが「わんっ」と一声上げた。辰臣の腕の中から咲夜を振り返るように見つめ、嬉しそうに尻尾をフリフリと振っている。
「ほらね。ランボーもその通りだって言ってるよ。僕には実際にランボーの気持ちを言葉として理解することは出来ないけれど、今のは僕の意見に賛同してくれたんだってことだけは自信を持って言えるよ」
一緒に過ごしてきた年月は、やはりダテではないのだろう。そう自信満々に笑顔を見せる辰臣の腕の中のランボーからは『そのとおり!』といった感じの心の声が聞こえてくる。息はピッタリだ。
ランボーからは『えっへん』と胸を張るような得意げな様子さえ伝わってきて、その可愛さに思わず小さく吹き出しそうになって。それと同時に涙がにじんできてしまい、咲夜はそれが零れないように瞬きを繰り返していた。
そんな様子を眺めていた辰臣は今度は少しだけ眉を下げると「僕は…さ」と、ぽつりと呟いた。
「僕は仕事柄、困っていたり苦しんでいる動物たちと出会うことが多いから、いつだって彼らが少しでも楽になれるように気持ちを汲み取ってあげたいって思っているんだけど。でも、それを知る能力は僕にはないから。だからね、実は少しだけ咲夜ちゃんが羨ましいと思っていたんだ。咲夜ちゃんは咲夜ちゃんなりに色々な苦悩があるんだろうに、無責任でごめんね」
まさか自分の苦しみに気付いてくれる人たちがいるなんて思ってもみなかった。
辰臣は何も悪くないのに。咲夜は申し訳なさそうに謝罪を口にする辰臣に、ふるふると首を振ることでそれを否定する。
「でもさ、それだけ咲夜ちゃんには他の者たちの気持ちを受け止める器があるってことなんだと僕は思うな。…っていうか、颯太。お前も黙ってないで何とか言ったらどうなの」
「ほらね。ランボーもその通りだって言ってるよ。僕には実際にランボーの気持ちを言葉として理解することは出来ないけれど、今のは僕の意見に賛同してくれたんだってことだけは自信を持って言えるよ」
一緒に過ごしてきた年月は、やはりダテではないのだろう。そう自信満々に笑顔を見せる辰臣の腕の中のランボーからは『そのとおり!』といった感じの心の声が聞こえてくる。息はピッタリだ。
ランボーからは『えっへん』と胸を張るような得意げな様子さえ伝わってきて、その可愛さに思わず小さく吹き出しそうになって。それと同時に涙がにじんできてしまい、咲夜はそれが零れないように瞬きを繰り返していた。
そんな様子を眺めていた辰臣は今度は少しだけ眉を下げると「僕は…さ」と、ぽつりと呟いた。
「僕は仕事柄、困っていたり苦しんでいる動物たちと出会うことが多いから、いつだって彼らが少しでも楽になれるように気持ちを汲み取ってあげたいって思っているんだけど。でも、それを知る能力は僕にはないから。だからね、実は少しだけ咲夜ちゃんが羨ましいと思っていたんだ。咲夜ちゃんは咲夜ちゃんなりに色々な苦悩があるんだろうに、無責任でごめんね」
まさか自分の苦しみに気付いてくれる人たちがいるなんて思ってもみなかった。
辰臣は何も悪くないのに。咲夜は申し訳なさそうに謝罪を口にする辰臣に、ふるふると首を振ることでそれを否定する。
「でもさ、それだけ咲夜ちゃんには他の者たちの気持ちを受け止める器があるってことなんだと僕は思うな。…っていうか、颯太。お前も黙ってないで何とか言ったらどうなの」