心がささやいている
「あはは…だよねぇ。じゃあ、えーと…ごめん、颯太。僕はこの辺回って一旦この子たちを置いてくるから、咲夜ちゃんと先に例の場所に向かってて貰えるかな?すぐに追いかけるからさ」
そう言うと辰臣は「それじゃあヨロシクねー」と、笑顔で手を振りながらすぐ横の道を入って行ってしまった。
何だかあまりにもアッサリとしていて、実はこうなることも最初から予測済みでの行動だったのではないかと思ってしまう程だ。
(それでも、みんなを連れ出したくて仕方なかったのかな…)
まだ出逢って日は浅いが、咲夜には何となく辰臣の行動が分かるようになってきた。
何にしても、あのコたちへの愛が溢れているということだけは分かる。彼の場合、心の声など聞こえなくても、これについては決定事項みたいなものなのだから。
賑やかなワンコ集団を見送って。ちょっぴり置いてけぼり感の漂う微妙な空気が流れる中、その場に残された颯太とランボーと咲夜は顔を見合わせると、誰からともなく再びゆっくりと歩き始めた。
すると、途端に隣からは盛大なため息が聞こえて来る。
「まったく…。ごめんなぁ、マイペースな人で。普段はそこまででもないんだけど、動物たちが絡むといっつもあんな感じでさ。動物たちに心優しいのは良いことだと思うけど、たまには一緒にいる奴の気持ちも考えて欲しいよなー」
肩をすくめ、明らかに呆れた口調でぼやく彼は、それでも自然と大空さんのしたことを自分のことのように謝ってしまう。これはもうクセのようなものなのだろう。
(本当に大空さんのことが好きなんだなぁ…)
だって、呆れながらも彼のことを語る幸村くんの顔は、どこか嬉しそうなのだ。
二人は兄弟のような関係だと聞いているけど、ここまでくるとブラコンの域に達していると言っても過言ではないだろうと思う。いつか大空さんに大切な…例えば恋人とかが出来た時、彼はとても寂しい思いをしてしまうんじゃないか?…なんて、今から心配しても仕方のないことが頭を過ぎっていった。
そう言うと辰臣は「それじゃあヨロシクねー」と、笑顔で手を振りながらすぐ横の道を入って行ってしまった。
何だかあまりにもアッサリとしていて、実はこうなることも最初から予測済みでの行動だったのではないかと思ってしまう程だ。
(それでも、みんなを連れ出したくて仕方なかったのかな…)
まだ出逢って日は浅いが、咲夜には何となく辰臣の行動が分かるようになってきた。
何にしても、あのコたちへの愛が溢れているということだけは分かる。彼の場合、心の声など聞こえなくても、これについては決定事項みたいなものなのだから。
賑やかなワンコ集団を見送って。ちょっぴり置いてけぼり感の漂う微妙な空気が流れる中、その場に残された颯太とランボーと咲夜は顔を見合わせると、誰からともなく再びゆっくりと歩き始めた。
すると、途端に隣からは盛大なため息が聞こえて来る。
「まったく…。ごめんなぁ、マイペースな人で。普段はそこまででもないんだけど、動物たちが絡むといっつもあんな感じでさ。動物たちに心優しいのは良いことだと思うけど、たまには一緒にいる奴の気持ちも考えて欲しいよなー」
肩をすくめ、明らかに呆れた口調でぼやく彼は、それでも自然と大空さんのしたことを自分のことのように謝ってしまう。これはもうクセのようなものなのだろう。
(本当に大空さんのことが好きなんだなぁ…)
だって、呆れながらも彼のことを語る幸村くんの顔は、どこか嬉しそうなのだ。
二人は兄弟のような関係だと聞いているけど、ここまでくるとブラコンの域に達していると言っても過言ではないだろうと思う。いつか大空さんに大切な…例えば恋人とかが出来た時、彼はとても寂しい思いをしてしまうんじゃないか?…なんて、今から心配しても仕方のないことが頭を過ぎっていった。