マスクの最強少女
「…なぁ青木、ちょっと良い?」
「なんかあった?」
「…これ神代さんの所なんだけど、15分前に比べて屋根がどんどん下がってくてねーか?」
2つの映像を並べて比較すると違いは明らかだった
「…本当だな。ちょっとヤバいかもしれない、
椿ちゃん!一旦そこ全員退避して!」
青木が無線で知らせた
「はぁ…はぁ…、分かりました」
映像から人が消え、俺らがいる場所まで戻ってきた
「あ!宮本くん来ていてくれたんですね」
さっきまで息切れしてたのに、どこからそんなテンションをあげる力が残ってたんだよ…
「うん、遅くなってごめん。
これ、黒糖と砂糖水持ってきたよ。食べる?」
「食べたいです!…あ、今手が真っ黒なんで、
口の中に放り込んでもらっても良いですか?笑」
「あぁ…いいよ。笑」
この緊急事態の中でも人一倍落ち着いていて、こっちまで笑ってしまうのは
彼女の力じゃなくて、本当の性格なのだろう
「2個で良い?」
「はい!ありがとうございます」
口の中に放り込んであげると、美味しそうに砂糖を砕いている
…でも、彼女の口の中は少し血が滲んでいた。