2度目の初恋
2年3組の教室。


広くて綺麗。


HRでまた挨拶する。そして悲鳴。


担任の時も悲鳴上がってたよな、顔だけかよ。


少しあきれながら、目をこすったら


「お前は、姫野 美羽のとこな。」


指されたら場所は1番左側の1番後ろ。めっちゃラッキーな席じゃんと思いながら座る。


右側向いたら


姫野 美羽っていう女子がいる。


マロン色で肩まで髪がついてて、前髪は少し巻いてる。眼が少しきれているけど怖くない。童顔で可愛い。


学校始まってから1ヶ月。


結構友達もできたし、体操部にも入って体も良く動かせている。


まぁまぁ告白されるけど、全部断った。


彼女作りたいとか言ったのに。


学校にも思いのほか慣れてきたし、彼女を作らない理由にはもうならない。


でも1つだけ言えるのは


俺は、姫野 美羽を目で追っている。ほんといつの間にかってやつ。



委員会一緒になって、分からないところとか教えてくれるし、急に顔が赤くなるし。


授業中よく外を見る。


だからか俺が見られている気がしてならない。


そんなわけないけど。


俺が顔赤くなりそうだ。


黒板なんか見れない。美羽をみてしまいそうで。


弁当食べてる時にいきなり美羽も玲那も大きな声出すし、


美羽は恥ずかしがっている、玲那はめっちゃにやけている。


美羽は照れた顔も授業中の少しだけ真面目に勉強している顔、


器械体操室行くときに体育館を通るけどエースで頑張っている美羽がかっこいいと思った。


あのスパイクが頭に当たったら、俺、もう一回記憶喪失になるかもなとか思いながら部活をした。



部活が終わった後


昇降口で美羽と遭遇した。


ポニテに半袖短パンのジャージ姿。


ださいと思いがちでも美羽の姿は全然ださくない。むしろかっけぇまで思う。


どうしたんだ。俺。くr…いや、山田公平。おかしい。


記憶喪失の後遺症がひどくなったのか。


でも、俺は、姫野 美羽が好きだ。


なんか心にくる。


すごいふんわりした笑顔。恋愛に無関心な顔して、笑うときは体からバニラの匂いがするんじゃないかくらいの甘ーーーーーーーーーーーーーい笑顔。


あれは反則。男子全員やられるぞ。


俺だけが見てたい。


でも、美羽は俺に対して近寄りがたいみたいな反応してるときあるし、しどろもどろな部分がよくある。そこも可愛い。


美羽、たまたま1人だし、委員会があるのは秋だし、今しかチャンスねーかも。


そう思いながら、


「美羽ちゃん、お疲れ」


あー、呼び捨てしてえ。


「公平くん、お疲れ」


「別館ってエアコンついてない?」


美羽が話が続いてくれた。俺って意外と小心者なんか。こんなんで怖がるとかまじないわーとか思いながら堂々と受け答えする。


「いやついてない。」


「やっぱり?わたしのところもついてないんだよね、めっちゃ暑い。」


意外と話が続いて、知らない間に同じ道を歩いていた。


家の方向同じなんかな~。


でもずっと話せて嬉しい。


美羽がいきなり


「公平くんって勉強してるの?」


とかいきなり聞くし、


普通ならやってるよっていうかもしれないけど


嘘つくのも申し訳ないくらい、まじでやってない。


家でもずっとゲームか体操の動画見てるかの2択。


だから


「やってない」


美羽は天才だね~と言うから天才じゃない、お兄ちゃんのほうが天才だと言った。


これは事実。


美羽がえ~知らなかった。って言ったけど、知らないの当たり前じゃん。


もしかして俺らどっかで会ってる?


んなわけないか。


俺の家着いたし。


美羽が驚いてる。


無理はない、高層マンションの最上階。正直、高校生が住む場所じゃないのは百も承知。買えば億は余裕だって親父が言ってた。


俺はふつうのアパートでいいと言ったけど、母が


「だめ!危険にさらすわけにはいかないの!!ママを安心させて!」


泣きながら言うからさすがに親父と俺は少し苦笑いした。


でもここまで思ってくれていることに感謝だと思う。


俺のマンションの前について


美羽は


私もここから5分だからと言って帰って行った。


ここら辺って結構高層マンションしかないはず…


美羽も俺の親父や母みたい人なのかなと思いながらオートロックを解除する。


てか、美羽を家に入れようかな、てか家まで送れば良かった。男らしくねーじゃねーか。


明日謝るか。


部屋に入り、料理ができない俺は宅配で弁当を配達してもらっている。今日は、美羽と結構、話せたから牛肉弁当2つにシュークリームまで食べた。


おなかいっぱい、心の中も美羽でいっぱい…


恋しちゃったか俺…


そうつぶやきながら、眠りについた。
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