2度目の初恋

美羽と一緒に行った朱雀まつり。


めっちゃ楽しかった。


結構視線もあったけど。


ここは同じ学校の人が多く来るって聞いたから、たぶん美羽と俺が一緒にいるところを見られたんだろう。


それはまぁいいけど。


美羽が可愛すぎる。


古風で赤い椿の浴衣に髪型はお団子で赤い花のかんざしが刺さっている。


べた惚れしてる俺。

お好み焼き食べてるときソースがつかないように慎重に食べてる美羽の真剣な顔、クレープを食べているときの頬をふくらませている可愛い顔。


俺だけが見てたい。


俺はついに告白した。


我慢できなかった。


美羽をずっと俺のものにしたいと思った。


もう過去の俺じゃない。ずっと守り続ける。


美羽は俺が今までみてきた、近寄ってきた女の中でも、守りたい、ずっと俺のそばにいてほしい、そう思わせる。


そして、美羽も受け入れてくれた。


今すぐ美羽を独り占めしたくて、同棲も決まったし、すごく嬉しかった。


でも


美羽が「10年前に幼なじみ」って言った。


小学1年生の時に俺ら会ってたことか…


ということは俺が欠けている記憶に美羽がいるってこと…


小学生の幼なじみだったんだ…


それを俺は思い出してない。


でも、8歳からの記憶は覚えてる。


じゃ、美羽といたときと少し前の記憶がちょうど抜けてるってこと…


なんてこった


ありえない


神様のいたずらかと思えてくる。


いや、神様からのいたずらだ。


美羽がこのことを知ったらショックを受けるに違いない。


美羽と出会った部分だけ記憶がないんだから。


ベッドに入っても美羽の顔が見れなかった。すぐに目を閉じて寝たふりをした。そしてすぐに美羽が寝たのが分かって、目を開けた


全く寝れなかった。


そして祈った。


俺の記憶が全て取り戻せるように。