2度目の初恋
美羽と公平の出会い
出会いは10年前、小学1年生の時。
わたしと公平くんは同じクラスだった。
学校自体が大きく、人数も多かったがその中でも公平くんは人気者だった。
でも、よく喋るムードメーカーという感じではなく、
人の話をよく聞いて、頷いて、たまに面白い話もしてクスッと笑う
小学1年生にしては大人みたいだな~
そういう印象をわたしは持っていた。
だから、どういう子かと言われれば
「体は子供、心は大人」
そういう子でした。←(なぜか親目線)
というか、小学1年生なのにここまで考える自分もすごいと思う。
(自画自賛はまず置いといて)
公平くんは目はクリクリしていて、前髪ぱっつんで後ろは少し刈り上げていた(気がする)
運動神経がよくて、頭も良かった。
体育の跳び箱なんて8段も飛んでいたし
テストでは5回連続国語が100点で先生がめっちゃ褒められていたし
まさにハイスペック!!
わたしはそんな公平くんにいつの間にか恋をしていた。
きっかけはない。
ほんとにいつの間にか。
気づいたら公平くんのことが好きになっていた。
でも、わたしは今の自分と変わらず、自分から話しかけられなくて
ただ教室で公平くんに気づかれないようにぼーっと見ていた。
唯一公平くんと喋ることができたのは
隣の席になって
国語の時間に、お互いに文章を1行ずつ読むというのがあって
その時間だけだった。
公平くんはわたしのことを美羽ちゃんと呼んでくれた。
「美羽ちゃん、読むのはやいね。」
「美羽ちゃん、ここ間違ってるよ。」
眠くなったわたしを
「美羽ちゃん、起きて!」
と大きな声で言ってクラスのみんなが笑ったりと
ちょっとお茶目な部分も公平くんにはあって
ほんとに隣の席が公平くんの時は、
ありきたりな表現だけど
幸せだった。
でも、次の年にお母さんから
「美羽、4月になったら転校しなきゃいけなくなった。」
「なんで?」
「おばあちゃんが認知症になって世話をしなきゃいけなくなったからよ、美羽ごめんね。」
わたしはどこかでもう公平くんと会えないんだ…
と考えてしまい布団の中で泣いてしまった。
お母さんには言えないけど、転校なんて嫌だな~と思いながら
学校に行ったら
先生から
「公平くんと美羽ちゃん、前に来て。」
「みんなにお知らせがあります、2人が転校することになりました。」
え?公平くんも?
戸惑いながらもわたしは別れの挨拶をした。
別れの挨拶をした後、
わたしから
「公平くん!」
「ん?」
「どこに転校するの?」
「東京から青森に行くんだ。」
「めっちゃ遠いね。」
「美羽ちゃんは?」
「東京からは離れないけど、少し田舎のほうに行くんだ。」
「そっか、離ればなれだね、美羽ちゃん。」
「ん?」
「いままでありがとう、たまに見た美羽ちゃんの寝顔可愛かったよ。」
「恥ずかしいよw、こちらこそありがとう。」
公平くんは学校を後にした。
寝顔可愛かったとか言われるとめっちゃ照れるじゃん。
いやもう照れてる。
付き合えなくてもいいから、公平くんと同じクラス、いやせめて同じ学校がよかったなぁ。
同じタイミングで転校で、しかも、公平くんは青森に行っちゃうなんて
遠すぎて…
もう会えないんだ…
ほんとにそう実感してしまって…
校門まで歩いて行くときまた泣いてしまった。
でも涙を拭いて、最後に振り返って学校を見て
学校を後にした。
それから10年後
山田 公平と姫野 美羽は再会しました。
公平くんはわたしのことに気づいていないみたいだけど
わたしはすぐにわかった。
初恋の人だから。
始業式で体育館に集まって公平くんが紹介される。
「山田 公平です。よろしくです。体操が好きです。」
みんなが「かっこいい…」とかざわめいてる。」
そりゃそうだ。
10年ぶりに再会して、もっとかっこよくなった。
公平くんが自己紹介をした後、校長が学校生活でしたいことは?
って聞いて、
「なんてことを聞くんだ!!」
と内心なぜか怒りというか疑問が湧いてきたけど、
玲那が「公平くんの父親と学校長が知り合いらしい。」
という言葉を思い出して、公平くんにあれこれ聞けるのかもと思ったが、
やっぱり、始業式で聞くことじゃない!!!
でも公平くんは学校長の質問に間を開けずに
「彼女をつくりたいですね。」
とサラッと言うから、
全校中のざわめきがもっと大きくなる。
わたしも知らぬ間に口を開けてしまっていた。
公平くんならすぐできる。
とてもかっこいいから。
目がまん丸で童顔なのは全く変わっていない。
黒髪でサラサラで前髪は横に少し流れてて
小1のときの可愛さはどこに行ったのか…
と思うくらい
かっこいい
身長も相沢先生より少し高いくらいで
180cm超えてる
高身長イケメンじゃん。
自己紹介の後、学校長が
「山田くんは2年3組に入ります。」
と言い、2年3組の女子はざわめきどころじゃない。
もう叫び声に変わっている。
どんなこんなで始業式が終わり、
2年3組の教室に入り、改めて、HRで公平くんが紹介された
「山田 公平といいます。体操が好きです、よろしくお願いします。」
相沢先生から
「席はあそこの姫野 美羽の席の隣に座ってくれ。」
と窓側の1番後ろの端っこの席に案内されたが
その右側わたしじゃん。
隣じゃん。
小1のときと同じじゃん。
まさかもうわたしのことに気づいたとかないよね?
さすがに自意識過剰すぎる。
「よーし、この後は昼休みで授業するからな!」
みんながえ~、だるいとか言っているがその中にはすぐに
「ねぇ!かっこよくない!?」
「体操部マネージャーになろうかな!」
ともう公平くんのことを言っている女の子もいる。
女子の目って鋭いんだな…
一緒に弁当を食べている玲那も
「山田 公平っていう人、かっこいいね〜」
わたしは
「そ、そうだね」
と相槌を打った。
午後の授業中
いつもは寝ないで集中してるけど
今日はなぜだかできない。
わたしは公平くんがわたしのことに気づくかなとソワソワしつつ、今年の冬からは受験期に入るから、勉強や部活も気合い入れて頑張ろう。
と窓から見える大きな桜の木と同じく桜の木を見ている公平くんの横顔を見ながら心の中で呟いた。
わたしと公平くんは同じクラスだった。
学校自体が大きく、人数も多かったがその中でも公平くんは人気者だった。
でも、よく喋るムードメーカーという感じではなく、
人の話をよく聞いて、頷いて、たまに面白い話もしてクスッと笑う
小学1年生にしては大人みたいだな~
そういう印象をわたしは持っていた。
だから、どういう子かと言われれば
「体は子供、心は大人」
そういう子でした。←(なぜか親目線)
というか、小学1年生なのにここまで考える自分もすごいと思う。
(自画自賛はまず置いといて)
公平くんは目はクリクリしていて、前髪ぱっつんで後ろは少し刈り上げていた(気がする)
運動神経がよくて、頭も良かった。
体育の跳び箱なんて8段も飛んでいたし
テストでは5回連続国語が100点で先生がめっちゃ褒められていたし
まさにハイスペック!!
わたしはそんな公平くんにいつの間にか恋をしていた。
きっかけはない。
ほんとにいつの間にか。
気づいたら公平くんのことが好きになっていた。
でも、わたしは今の自分と変わらず、自分から話しかけられなくて
ただ教室で公平くんに気づかれないようにぼーっと見ていた。
唯一公平くんと喋ることができたのは
隣の席になって
国語の時間に、お互いに文章を1行ずつ読むというのがあって
その時間だけだった。
公平くんはわたしのことを美羽ちゃんと呼んでくれた。
「美羽ちゃん、読むのはやいね。」
「美羽ちゃん、ここ間違ってるよ。」
眠くなったわたしを
「美羽ちゃん、起きて!」
と大きな声で言ってクラスのみんなが笑ったりと
ちょっとお茶目な部分も公平くんにはあって
ほんとに隣の席が公平くんの時は、
ありきたりな表現だけど
幸せだった。
でも、次の年にお母さんから
「美羽、4月になったら転校しなきゃいけなくなった。」
「なんで?」
「おばあちゃんが認知症になって世話をしなきゃいけなくなったからよ、美羽ごめんね。」
わたしはどこかでもう公平くんと会えないんだ…
と考えてしまい布団の中で泣いてしまった。
お母さんには言えないけど、転校なんて嫌だな~と思いながら
学校に行ったら
先生から
「公平くんと美羽ちゃん、前に来て。」
「みんなにお知らせがあります、2人が転校することになりました。」
え?公平くんも?
戸惑いながらもわたしは別れの挨拶をした。
別れの挨拶をした後、
わたしから
「公平くん!」
「ん?」
「どこに転校するの?」
「東京から青森に行くんだ。」
「めっちゃ遠いね。」
「美羽ちゃんは?」
「東京からは離れないけど、少し田舎のほうに行くんだ。」
「そっか、離ればなれだね、美羽ちゃん。」
「ん?」
「いままでありがとう、たまに見た美羽ちゃんの寝顔可愛かったよ。」
「恥ずかしいよw、こちらこそありがとう。」
公平くんは学校を後にした。
寝顔可愛かったとか言われるとめっちゃ照れるじゃん。
いやもう照れてる。
付き合えなくてもいいから、公平くんと同じクラス、いやせめて同じ学校がよかったなぁ。
同じタイミングで転校で、しかも、公平くんは青森に行っちゃうなんて
遠すぎて…
もう会えないんだ…
ほんとにそう実感してしまって…
校門まで歩いて行くときまた泣いてしまった。
でも涙を拭いて、最後に振り返って学校を見て
学校を後にした。
それから10年後
山田 公平と姫野 美羽は再会しました。
公平くんはわたしのことに気づいていないみたいだけど
わたしはすぐにわかった。
初恋の人だから。
始業式で体育館に集まって公平くんが紹介される。
「山田 公平です。よろしくです。体操が好きです。」
みんなが「かっこいい…」とかざわめいてる。」
そりゃそうだ。
10年ぶりに再会して、もっとかっこよくなった。
公平くんが自己紹介をした後、校長が学校生活でしたいことは?
って聞いて、
「なんてことを聞くんだ!!」
と内心なぜか怒りというか疑問が湧いてきたけど、
玲那が「公平くんの父親と学校長が知り合いらしい。」
という言葉を思い出して、公平くんにあれこれ聞けるのかもと思ったが、
やっぱり、始業式で聞くことじゃない!!!
でも公平くんは学校長の質問に間を開けずに
「彼女をつくりたいですね。」
とサラッと言うから、
全校中のざわめきがもっと大きくなる。
わたしも知らぬ間に口を開けてしまっていた。
公平くんならすぐできる。
とてもかっこいいから。
目がまん丸で童顔なのは全く変わっていない。
黒髪でサラサラで前髪は横に少し流れてて
小1のときの可愛さはどこに行ったのか…
と思うくらい
かっこいい
身長も相沢先生より少し高いくらいで
180cm超えてる
高身長イケメンじゃん。
自己紹介の後、学校長が
「山田くんは2年3組に入ります。」
と言い、2年3組の女子はざわめきどころじゃない。
もう叫び声に変わっている。
どんなこんなで始業式が終わり、
2年3組の教室に入り、改めて、HRで公平くんが紹介された
「山田 公平といいます。体操が好きです、よろしくお願いします。」
相沢先生から
「席はあそこの姫野 美羽の席の隣に座ってくれ。」
と窓側の1番後ろの端っこの席に案内されたが
その右側わたしじゃん。
隣じゃん。
小1のときと同じじゃん。
まさかもうわたしのことに気づいたとかないよね?
さすがに自意識過剰すぎる。
「よーし、この後は昼休みで授業するからな!」
みんながえ~、だるいとか言っているがその中にはすぐに
「ねぇ!かっこよくない!?」
「体操部マネージャーになろうかな!」
ともう公平くんのことを言っている女の子もいる。
女子の目って鋭いんだな…
一緒に弁当を食べている玲那も
「山田 公平っていう人、かっこいいね〜」
わたしは
「そ、そうだね」
と相槌を打った。
午後の授業中
いつもは寝ないで集中してるけど
今日はなぜだかできない。
わたしは公平くんがわたしのことに気づくかなとソワソワしつつ、今年の冬からは受験期に入るから、勉強や部活も気合い入れて頑張ろう。
と窓から見える大きな桜の木と同じく桜の木を見ている公平くんの横顔を見ながら心の中で呟いた。